愛犬のしつけ教室選びのポイントを培った豊富な経験をもとに簡単解説!

今の時代は手法や目的が異なるタイプの教室が複数存在します。

私もこの業界に入って25年がたちますが、それまでに培った経験、多くの専門家と出会い様々なスタイルのしつけ教室を経験、または自身で実施してきました。

今回はその中でも代表的なスタイルをピックアップしてご紹介、解説します。

しつけ教室選びにお役立てください。

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目次

しつけ教室(ドッグトレーナー)タイプ

代表的なしつけ教室のスタイルは下記の通りです。

  • 飼い主の愛犬を預かりドッグトレーナー自らしつけを行う教室
  • 飼い主が愛犬と一緒に参加する教室
  • 飼い主がオンラインで参加する教室
  • 飼い主のみ参加する教室(セミナー)

飼い主の愛犬を預かりドッグトレーナー自らしつけを行う教室

「預かり訓練」と言われることもあります。

ドッグトレーナーさんに数日から数ヶ月と目的に応じて愛犬を預けトレーニングをしてもらいます。

犬の幼稚園や保育園、ドッグホテルなどを併設されていたり、飼い主にもしつけ方法を定期的にお教えする場を設けている教室もあります。

愛犬を長時間お留守番させる必要があるご家庭に向いています。

特に、子犬の時期に必要な社会化や基礎的しつけなどをプロに行ってもらうメリットは大きいと思います。

実際、問題行動の原因として子犬期のお留守番が絡んでいる実例は多いです。

ただ、注意が必要なのは「ドッグトレーナー任せにしない」と言うことです。

関係性を構築する大事な時期に、飼い主本人ではなくドッグトレーナーとの絆が強くなりすぎるのは避ける必要があります。

犬は利口です。

「トレーナーの言うことは聞くけど、飼い主の言うことは聞かない。」と言うワンコ、たくさんいます。

ある、預かり訓練の現場を見学にいったときのこと、ラブラドールレトリーバーの子犬がトレーナーの横についてお利口に歩いていました。

その日は飼い主が迎えに来られていて、終了と同時に愛犬のリードをトレーナーから渡されました。

その途端、その子はリードをぐいぐい引っ張りはじめ飼い主は引きずられ「私が持つとこうなるんです。」と言いながら去って行きました。

この子のしつけはすでに入っているので、あとは飼い主が学ぶ番なのは言うまでもありません。

犬は露骨すぎるぐらい人を見て態度を変えます。

必要なことは、トレーナーにトレーニング方法を指導してもらい自ら愛犬に実践する時間も必ず作ると言うことです。

そのバランスを保てるのであれば、預かりトレーニングは良い選択肢であると言えます。

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飼い主が愛犬と一緒に参加する教室

一般的に思い浮かべるしつけ教室はこのスタイルだと思います。

基本、方法をトレーナーに教えてもらい飼い主が行うスタイルです。

さらに細分化すると下記の通りです。

  • 個人(プライベート)レッスン(公園や教室、自宅付近など)
  • グループレッスン(少人数)
  • グループレッスン(大人数)

メリット、デメリットは子供の塾とほぼ同じと考えても良いと思います。

私も全てのタイプのしつけ教室を実施していました。

個人になるほど、個別事情に則ったレッスンを受講できますが、大人数になればなるほどある程度決まったカリキュラムで進めていくことになります。

3つのなかで費用は一番高くなりますが、具体的な目的、困りごとがある場合は個人レッスンをおすすめします。

受講する場所は普段の散歩コースや、自宅、あるいはその周辺が理想です。

なぜなら「ここ(しつけ会場など)ではできるんだけど、家に帰るとできない。」といった声がよく聞かれるからです。

私はこの業界に携わる前はパソコン教室で働いていたのですが、そこの生徒さんが「教室のパソコンではできるけど、家のではうまくいかない。」と言う方が多くいました。

理由を尋ねると「教室PCのデスクトップ上にあるワードアイコンの場所と、自宅のは違うところにあってわからない。」「同じエクセルでもバージョンが異なると操作できない。」と一様におしゃってました。

「同じWindowsなので基本は同じですよ。」と伝えてもその方々には全く別物に見えるようです。

せっかく高いお金を払って受講してもらっているのに身になっていないのであれば意味がない。

そこで、お客さま所有のパソコンで指導すれば確実に修得してもらえると考え独立し「パソコンの家庭教師」を始めることにしました。

私もあらゆるハードの特徴を理解する必要がありましたので大変でしたが、お客さまの満足度は高かったのでやって良かったと心底思いました。(ある生徒さんとの出会いがこの業界に入るきっかけになるのですが・・・。)

しつけも基本は同じで普段の生活空間のなかでトレーニングを行う方が身になります。

もちろん、自宅の中までは抵抗を感じる方もいるかと思いますので周辺でも大丈夫です。

個別レッスンを検討されているのであれば、ぜひ出張トレーニングを選択肢に入れてみてください。

飼い主がオンラインで参加する教室

数十年前、ある大手通信会社より依頼を受けて遠隔しつけ教室を実施したことがあります。

この分野では最初に行ったのではと密かに思っています。

その通信会社の目的はネット回線速度のスピードと安定性を検証することでした。

当時は不思議な感じでしたが、ご参加された飼い主の満足度も高く新たな時代の到来を感じさせる体験でした。

オンライン教室なら自宅にトレーナーが直接入らずとも日常空間のなかでのレッスンが可能となります。

今の時代は十分選択肢として考えられるスタイルだと言えます。

飼い主のみ参加する教室(セミナー)

飼い主のみ参加するしつけ教室です。

いわゆる座学です。

私もよく実施していました。

しつけ教室に愛犬を連れてくるとその子のことが気になって内容が耳に入ってこなかったり、「うちの子かわいい」とうっとり眺め続けている飼い主もいたりします。

せっかくお金を払ってきているのに何も覚えず帰っては元も子もありません。

「うちの子バカ犬だから・・・。」と言う飼い主には「バカなのは犬ではなく飼い主です。」と答えています。

しつけ教室は愛犬が学ぶ場所だと勘違いされている方が多いのですが違います。

飼い主がしつけ方や行動学を学ぶ場所なのです。

実際、相談に来られる内容のほとんどが飼い主の知識不足が原因だったりします。

「飼い主が変わればワンコも変わる」

ぜひ一度は、座学も選択肢に入れて参加されることをおすすめします。

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ドッグトレーナー以外の専門家が教えるしつけ教室

犬業界も奥が深く、各分野の知識と経験を幅広く深く修得することは極めて困難です。

「獣医師は」「ブリーダーは」「ドッグトレーナーは」わかっていないとと言った話はよくあることです。

ですが、各分野の専門に特化すればするほど見解が異なるのもある意味当然だったりします。

だからこそ、ドッグトレーナー以外に学ぶ機会があれば積極的に参加することを強くおすすめします。

代表的な専門職を挙げてみました。

  • 獣医師
  • ブリーダー
  • トリマー
  • 専門トレーナー(競技会・ドッグスポーツ)

獣医師

獣医師や動物看護師自ら行うしつけ教室は、当たり前ですが病気や怪我のリスクを減らしたり、予防するといった視点からのリアルな話やその対策を学べるかと思います。

特に、愛犬の歯磨きは子犬の頃から慣れさせる必要があり、その方法などを教えてくれるところも多いはずです。

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また、避妊や去勢をすることのメリット・デメリットも詳しく教えてくれるでしょう。

まだかかりつけの動物病院を見つけていない場合は、しつけ教室を通して施設やスタッフ、先生の人となりなどを確かめることもできます。

医療分野の立場からのしつけ教室、機会があればぜひ参加してみてください。

ブリーダー

私は、ブリーダー紹介を始めたのがこの業界に入るきっかけだったのでこの分野には思い入れが強くあります。

また、尊敬できるブリーダーから多くのことを学ばせていただきました。

私が始めた当時はまだまだブリーダーと愛犬家の接点がほとんどありませんでしたので、定期的にブリーダーをお招きしての講習会も実施していました。

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恐らく、初めて犬を飼われる方は犬種図鑑などで特徴を把握し探すと思います。

ただ、同じ犬種でもブリーダーのこだわりによって性格や特徴が全く異なります。

例えば「同じダックス?」「同じジャックラッセルテリア?」と言った経験を私は何度もしてきました。

それから、私は犬種特性より犬舎特性の方が大きいと考えるようになりました。

その生まれてくる子犬たちのことを誰よりも知っているのは、ドッグトレーナーでもなく獣医師でもなくブリーダーです。

そのブリーダーからその子の性格に合ったしつけ方法を学ぶのはいいに決まってます。

機会があればぜひ参加してみてください。

とは言え、本職のブリーディングに忙しいのでそのような場を設けることができないブリーダーがほとんだと思います。

その場合は「個別相談に乗ってもらえるか」なども事前に確認をした上でブリーダーから犬を迎え入れることも検討してみてください。

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トリマー

例えば、飼い主が爪を切ろうとすると暴れまくり、この世の終わりのような鳴き声を出す子は多いと思いますが、トリマーさんにお願いすると大人しくサクサクと切られていることってありませんか?

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そこには当然プロだからこそのノウハウもありますがしつけ要素も含まれています。

その一つが「保定」と呼ばれるもので、お手入れするときに愛犬が動かないようにしっかりとおさえる方法のことを言います。

保定が甘いと愛犬に逃げられると思う隙を与えますので、ますます暴れ恐怖心も増していきます。

ですが、しっかりおさえてあげることで早くに諦めさせ、落ち着かせることができます。

愛犬だって、ダラダラと嫌なことが長く続くより、しっかり保定されサクッと早く切ってもらった方が結果楽です。

過去に、トリマーさんをお招きしてそれらも学べる爪切り講習会を実施したことがありますが好評でした。

トリマーさんも獣医師やブリーダーと同様、本職がお忙しいのでなかなかそのような教室を実施することはないと思いますが、機会があればぜひ参加してみてください。

専門トレーナー(競技会・ドッグスポーツ)

訓練競技会やディスクドッグ、アジリティーやフライボールなど実に様々なドッグスポーツがあります。

見てるだけでも楽しいですが、愛犬と一緒にできたらと思っている飼い主も多いのではないでしょうか。

一般的なしつけ教室は日常生活を快適に過ごすことが目的だったりしますが、ドッグスポーツに関してはそれらが最低限できている上でのプラスアルファですので敷居は少し上がります。(基本ノーリードが前提ですので呼び戻しできることが必須条件だったりします。)

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例えば、英語を学びたいと思い留学する人と、海外で犬のことを学びたいと思い渡る人では英語の習得度は後者の方が早いという話はよく聞きますよね。

海外で犬のことを学ぶには語学修得が必須なわけで、語学のみを目標とする人とは意識や取り組む姿勢が異なるからです。

それと同じで「ディスクドッグの大会にでたい」と思いそのトレーニングに通うことで、結果として基礎的なしつけもできることに繋がったりもするので、大きな目標を持ち取り組むことは素晴らしいことだと思います。

ぜひ、様々なドッグスポーツの見学に行き「これをやってみたい」と言う競技があれば、必ず講習会も実施していますのでぜひ参加してみてください。

なお、ドッグタイムレースという誰でもすぐに参加できるドッグスポーツがあります。

これに出場したことで目覚め、より難易度の高いドッグスポーツにチャレンジされる方もいます。

興味のある方は下記記事をご覧ください。

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まとめ

余裕があれば様々なタイプのしつけ教室に参加してみてください。

その上で「これだ」と思う教室やトレーナーに出会えたら、その方らより学ぶのもいいですし、いいとこ取りするのもありだと思います。

ただ、どの教室に通っても大切なことは飼い主が取り組むことです。

しかも、継続的にです。

通っただけでできた気になるのはダメです。

続けることは簡単なようで難しく、私たちがお伝えしたことをせずに次のことを聞いきたり、新たな悩みを相談される方がいます。

その場合「まずは以前お教えしたことを徹底的に行ってください。」と伝えます。

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愛犬は飼い主に根性がないと見抜くととことんそこを突いてきます。

逆に「飼い主根性あるな」と思わせれば信頼関係も増します。

三日坊主にならない強い気持ちを持って頑張ってください!!

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