子犬を質の高いブリーダーから入手するための12のポイントを解説!

「子犬をブリーダーから購入したいけど何を基準にすればいいかわからない。」と悩まれている方も多いかと思われます。

そこで、今回は日本で最初にブリーダー紹介サイトを立ち上げた、全国数百の犬舎を訪問した経験をもとに質の高いブリーダーから入手するためのポイントを解説します。

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12のポイントとは?

「ドッグブリーダー」と言っても明確な定義はありません。

法律を守っていれば名乗ることはできます。

ちなみに、環境省が平成13年に行ったヒアリング調査で6パターンに分けています。

  • 専業繁殖者
  • ブリーダー
  • ペットショップ経営兼繁殖者
  • 趣味的繁殖者
  • 一般購入繁殖者

詳しくは下記記事をご覧ください。

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ブリーダーと呼ばれる方のなかでもシリアスブリーダーと呼ばれる方から、ブリーダー?と疑問符を持つ方まで正直ピンキリです。

シリアスブリーダーは、一般的には“ブリーダー”で通っていますが、 全国に約2万犬舎あるブリーダーのなかで5%未満しか存在しないと言われています。シリアスブリーダーは、犬種特有の遺伝から来る病気や飼育環境、健康管理を勉強し、 犬種スタンダードに近づける為に惜しみない時間と労力をかけ、犬種の保存と犬質の向上に努めています。 また、繁殖犬には無理をさせず、健康を気遣いながら計画的に繁殖を行います。

日本ブリーダーガイド

シリアスブリーダーが5%しかいないのであれば、その犬舎から子犬を入手するのは非常に困難だと言えますし、それ以外にも立派なブリーダーさんはたくさんいます。

今回は「ブリーダー」「ペットショップ兼繁殖者」「趣味的繁殖者」の3カテゴリを「ブリーダー」と一括りにして解説をしていきます。

その上で、一般の方が子犬探しをする際に確認してほしい項目を私の経験をもとに出してみました。

もちろん、この基準は人や立場によって千差万別ですがブリーダー探しを行う方には大いに参考になるかと思います。

  1. 法律(動物愛護管理法)を遵守している
  2. 直接販売がメインである
  3. 数犬種しか扱わない
  4. 取扱犬種が流行に左右されていない
  5. 犬種標準(スタンダード)を理解している
  6. 親犬の遺伝性疾患の有無に最大限配慮して繁殖している
  7. 正しいカラーブリーディングを行っている
  8. 繁殖環境(犬舎など)を見せることができる
  9. 衛生管理がしっかりしている
  10. 親犬(母犬)を見せることができる
  11. 身体的特徴や先天性疾患を隠さず説明してもらえる
  12. 契約書がある

1:法律(動物愛護管理法)を遵守している

子犬を繁殖、販売するには第一種動物取扱業の「販売」で登録、事業所ごとに氏名又は名称、登録番号などを記載した標識を誰からも見やすい場所に掲示する必要があります。

また、動物の管理の方法や飼養施設の規模や構造などは細かく規定されています。

さらに、2022年6月より犬猫等販売業者にマイクロチップ装着と登録が義務化されました。

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これらの規定を遵守していることが大前提となります。

2:直接販売がメインである

ペットショップに卸すと、ブリーダー自身が飼い主を判断することができませんし、誰に渡ったのかを知ることもできません。

子犬を愛情たっぷりかけ育てたブリーダーなら、大切に可愛がってもらえる飼い主に直接販売するというのは当たり前の行為で業者に出すことはありません。

そこが見極める一つのポイントになるかと思います。

なお、信頼できるペットショップに出すことはあると思います。

ですから「メイン」という表記にとどめています。

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3:数犬種しか扱わない

あるミニチュアダックスのブリーダーにお会いしたとき「1犬種だけでも相当に奥が深く、他犬種となるとノウハウが違ってくる。だから、迂闊に手を出すことはできない。」とおしゃっていました。

実施、そのブリーダーのミニチュアダックスに関する知識と経験が半端なく、私も相当に勉強をさせていただきました。

他の犬種のことを尋ねると知ったかぶりをせずに「私はわからない」と言っていた姿が今も印象に残っています。

1人の人間が学べる数はせいぜい2〜3犬種ぐらいではないでしょうか。

もちろん、ブリーダーの学習能力が極めて高かったり、チームで担当を決め複数犬種を繁殖することは可能かもしれませんがレアケースだと思われます。

ブリーダー選びを行う上で取扱犬種数をチェックすることも重要です。

4:取扱犬種が流行に左右されていない

昔、ある消費者金融のCMからチワワが、飲料メーカーのCMからウェルシュコーギーが流行になったことがありました。

その時代、時代人気のある犬種を繁殖し儲けようとする人はいます。

そのような人たちは繁殖工場やパピーミルと呼ばれることが多く多品種多頭数になりがちです。

そして、ブームが去るとそれら犬を放棄して、また新たに人気のある犬種を入手し繁殖を始めるといった方も残念ですが多く存在します。

犬は物ではありません。

売れるからといって大量生産を容易にはできません。

ですが、需要に応じて一気に増えているのであれば、知識もろくにない業者が無理な交配をして生産(出産)している可能性が極めて高いと言えます。

一方、良いブリーダーはブームに左右されず惚れ込んだ犬種のブリーディングを愚直に行なっています。

そして「流行犬種になって欲しくない」と願っている方が多いです。

ぜひ、人気に惑わされない犬種選びをすることをおすすめします。

どうしても、人気犬種が欲しいのなら、注目される何年も前からブリーディングをしているブリーダーを探して見るのも一つの選択肢です。

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5:犬種標準(スタンダード)を理解している

一般の愛犬家は各犬種にはスタンダードがあるということを知らない方がいるかもしれません。

犬種標準とは、それぞれの犬種の理想像を作りあげて記述したものであり、ドッグショーの出陳並びに計画繁殖する犬の参考にするものです。 この事項から外れることがあっても、その犬種として、家庭の良き伴侶として飼育されることに問題はありません。

JKCホームページより

ドッグショーに出すことを目的とするブリーダーはいかにスタンダードに沿った犬を作出するか、理想とする犬を作出するかに情熱を注いでいます。

そのための弛まぬ努力を積み重ねているブリーダーは尊敬に値します。

また、ショーには出さずとも、ご自身の求める理想の犬を作りだしたいと励んでいるブリーダーも多くいます。

どちらにも共通していることは「スタンダード」を理解しているということです。

「数犬種しか扱わない」に繋がりますが、複数頭の犬種標準(改正されることもあり)を熟知し実行することは相当に困難です。

もちろん、先の引用にあるようにスタンダードから外れていても良きパートナーとして一緒に暮らすことは全く問題ありません。

ですが「純血種」とうたいながら、大きく外れている子犬を販売している業者やブリーダーは問題です。

ぜひ、飼い主も犬種標準を理解して子犬を探されることをおすすめします。

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6:親犬の遺伝性疾患の有無に最大限配慮して繁殖している

遺伝性疾患とは・・・。

 遺伝性疾患とは、遺伝子が変異することによって引き起こされる病気のことで、変異した遺伝子(疾患原因遺伝子)が親から子へ引き継がれることによって病気が遺伝していきます。
 シドニー大学がインターネット上に公開している様々な動物の遺伝に関する情報サイトOMIAによると、現在、遺伝子異常が明らかな犬の疾患や形質(毛の色などの特徴)は211あり、そのうち約50の病気で遺伝子診断が可能と言われています。

犬の遺伝性疾患は、実際には、アレルギー性皮膚炎などの皮膚疾患や、膝蓋骨脱臼などの骨関節疾患、僧帽弁閉鎖不全症などの心疾患が大半を占めますが、これらの疾患のほとんどが慢性、再発性で、程度の差はあれ、生涯にわたる治療が必要なことが少なくありません。

日本は世界でも突出して犬の遺伝性疾患が多い国と言われております。

 その原因としては、映画やテレビなどのマスメディアの影響を受けて特定の犬種に人気が集中し、その需要によって無秩序な生産(繁殖)が横行していることが指摘されています。

埼玉県獣医師会

ミニチュアダックスの椎間板ヘルニア、大型犬に多い股関節形成不全などが代表的です。

これらの防止は可能な限り遺伝子検査をして、可能性があったり指摘されている犬は繁殖に利用しないということです。

遺伝子検査の結果は、検査項目(遺伝病)ごとに「クリア」「キャリア」「アフェクテッド」の3種類で表示されます。

該当の検査項目(遺伝病)が発症する原因となる遺伝子を持っていない場合は「クリア」、半分だけ持っている場合を「キャリア」、確実に遺伝病の遺伝子を持っている場合を「アフェクテッド」といいます。

「クリア」「キャリア」の個体の発症リスクはありませんが、「キャリア」の子犬で繁殖を行う場合、注意が必要です。

ブリーダーから購入した子犬での繁殖をお考えの場合は、事前にブリーダーより説明を受けるようにしてください。

みんなのブリーダーHPより

一般の飼い主に譲り渡す条件として避妊・去勢を求めるブリーダーも多くいます。

譲渡時は無症状でも成長とともに発症するケースもあり、それを知らずに交配してしまうことを避ける必要があるためです。

私も、実際そのようなブリーダーから犬を迎え入れています。

現状、遺伝子検査ができる項目はまだまだ限られていますし、新たな疾患が見つかることもあり完璧を求めることはできません。

それでも、不幸な子を減らすため真摯に向き合い取り組まれているブリーダーから、新たな家族の一員を探されることを強くおすすめします。

7:正しいカラーブリーディングを行っている

ブームになると毛色のバリエーションが増えます。

代表的な例がミニチュアダックスではないでしょうか。

原色はレッドなのですが、今では150パターンを超えると言われて入るほど。

ちなみにJKC(ジャパンケンネルクラブ)がダックスフンドのスタンダードとして認めていない毛色が下記となります。(2020年12月21日)

■ブラック
■ブラック&ホワイト
■ブラック,タン&シルバー
■ブラック,タン&ホワイト
■ブルー
■ブリンドル&シルバー
■ブラウン
■チョコレート
■チョコレート&ホワイト
■チョコレート・ダップル&ホワイト
■クリームを含む毛色
■ダブル・ダップル
■ゴールド&ホワイト
■ゴールド,ダップル&シルバー
■イザベラ
■イザベラ・ダップル&ホワイト
■パイボールド記載
■レッド&ホワイト
■レッド・ブリンドル&ホワイト
■レッド・ダップル&ホワイト
■ソルト&ペッパー
■シルバー・ダップル&ホワイト
■ホワイト
■ホワイト&チョコレート・ダップル

「危険な掛け合わせ」が主な理由です。

例えば、色素の薄い色同士を交配すると病弱であったり、先天性疾患を持った子犬が生まれる確率が高くなります。

ダップル同士を掛け合わせる行為(ダブルダップル)は極めて危険でJKCでも「高い確率で致死や、難聴のような健康欠陥が生じる」と注意喚起をしています。

このように、カラーブリーディングは非常に奥が深く、遺伝学をはじめ何世代にも渡ってその子が持つ遺伝子を把握・管理していく必要があります。

その辺りを十分に理解しているブリーダーは、ベースカラーを基本として色素の濃い子犬の作出に力を入れます。

そして、交配相手(種オス)を外部に求める場合、極めて正確に血統管理をしている犬舎の子のみ行うなど徹底しています。

一方、「この子は珍しい色ですよ。」「レアカラーですよ。」とか言って、健康面に危険を及ぼす可能性の高い子犬を高値で売りつける業者も残念ながら多く存在します。

チワワやトイプードルなどでも同じことが言えます。

犬種スタンダードが外れていたとしても健康面は問題ないことが多いですが毛色は違います。

しっかりとしたブリーダーは、それらの注意喚起をHP上で行なっていますし、母犬や父犬、子犬を見るとベースカラーを基本とした子が多いはずです。

逆に、先ほども書いた通り「珍しい色ですよ」のような宣伝文句を出している業者(ペットショップも含む)は要注意です。

ホームページを検索すれば、各犬種の危険な掛け合わせなどを解説しているページが出てくると思いますので、希望する犬種について最低限の毛色に関する知識は入れておくことをおすすめします。

8:繁殖環境(犬舎など)を見せることができる

法改正により「事業所において販売しようとする動物の現在の状態を直接見せる」ことが必要となりました。

それまでは、「写真だけをみて」「ネット上のやりとりだけで」といった販売も可能で、受け取りも空輸や陸送で送ってもらったり、ブリーダー自身が飼い主の自宅付近まで届けにくることも可能でした。

仮に犬舎見学を断ったり、別の場所で会うことを求められたりすればルールに反することになりますのでそのようなブリーダーからの購入は控えるようにしてください。

そもそも、質の高いブリーダーは法改正される前からも見学大歓迎です。

犬舎環境から犬たちから全てに自信があるからです。

それがないブリーダーほどもっともらしい理由をつけて断ったりします。

もちろん、見学する上でのマナーも必要です。

具外的には「必ず予約する(出産時など見学NGの日もあります)」「見学当日は他のブリーダー、ペットショップなどには立ち寄らない」「冷やかしで行かない」などです。

マナーをきちんと守った上で犬舎訪問してみてください。

9:衛生管理がしっかりしている

良質なブリーダーの犬舎は臭いがしません。

自宅兼犬舎の方も多いですが、玄関に入ったときに「本当に犬はいるのかな?」と思うこともあります。

そして、清潔感もあります。

私が初めてお会いしたブリーダー(実際は繁殖業者)の犬舎は臭いが強烈で、その場に長く居続けることが苦痛だったのですが、「これだけ犬がいるんだから普通なのかな」と自分自身を思い込ませようとしていました。

ですが、その後質の高いブリーダーの衛生管理を目の当たりにすることで「いや、あそこがやばかったんだ」と思うに至りました。

なかには、他の人工的な香りでごまかしている犬舎もあります。

無臭(あるいは一般愛犬家の家庭と同じくらい)で、変な香り付けもなく、清潔感がある犬舎は基本衛生管理もしっかりしていると言えます。

ぜひ、見学へ行った際には確認してみてください。

10:親犬(母犬)を見せることができる

犬舎見学(事業所)に行った際に、販売対象となる子犬を見せることは法律上求められていますが、親は任意となっています。

とはいえ、子犬と一緒に見せてもらうことが望ましいです。

理由として、性格や大きさなどをある程度把握することができるからです。

ちなみに、オス犬(種オス)は外部であることが多くその犬舎にいないことがよくありますので、少なくとも母犬は見たいところです。

仕入れ販売専門のペットショップでは親犬の写真を見ることはできても親犬に会うことはできません。

ブリーダーから子犬を飼う上での大きなメリットの一つだと言えます。

出産直後などは難しいかもしれませんが、犬舎見学同様質の高いブリーダーは嫌がらず見せてくれます。

なかには、母犬に惚れて交配する前から予約される方もいます。

ぜひ、子犬を選ぶ判断材料として親犬と対面してみてください。

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11:身体的特徴や先天性疾患を隠さず説明してもらえる

完璧な犬はいません。

長所や短所は必ずあります。

また、どれだけ注意深く繁殖計画を立て出産させたとしても、ミスカラーや、先天性疾患を持っていたり、病弱な可能性もあります。

大切なことは、それらの情報を包み隠さず公開し納得してもらった上で販売することです。

今、トイプードルがブームですがスダンダードかれ明らかに外れている子を多く見かけます。

もちろん、しっかりと説明を受け飼われたのなら全く問題ありません。

ですが、一切説明なくそれなりの金額を支払って購入されたのなら、販売した業者はモラルに欠けると言わざるを得ません。

もう一度言いますが完璧な生き物はいません。(私たち人間も)

ブリーダーからその子の欠点を正確に伝えられたとしても、決して「そんな犬を売るのか!」と批判はせずに、それらも含めて愛せるかどうかを踏まえ購入の判断をしてください。

12:契約書がある

今の時代契約書がないことは考えられないと思いますが、未だ口約束の方が存在するかもしれません。

「言った、言わない」「説明した、説明されていない」と言った水掛論にならないためにも契約書は必要で、購入者はもとより、ブリーダー自信を守ることにも繋がります。

必ず用意されているブリーダーから子犬を入手するようにしてください。

なお、どこの契約書も内容に大差はありません。

購入予定のブリーダーから事前に渡されることもありますし、ホームページ上で一般的な雛形が公開されていたりします。

それらをしっかりと読み込み、不明点があればブリーダーに確認をとり納得した上で売買契約を交わすようにしてください。

まとめ

今の時代はブリーダーが直接ホームページやブログ、SNSなどで容易に情報発信ができ、一般購入者もその存在を身近に感じることができます。

私も子犬が成長する姿を日々投稿しているブリーダーのTwitterを見て楽しんでいますし、もし新たに犬を飼うのであれば「ここがいいなぁ」と思ったりしています。

ちなみに、良いブリーダーであればあるほど生まれる前から飼い主が決まっていることが多いです。

だとしても、犬舎見学に行き、母犬などを見せてもらい、ブリーダーの考えを聞くことは重要です。

その上で「ここの子が欲しい」と思えば次回出産時の予約をすればいいのです。

私は衝動買いよりもその方が良いと思っています。

なぜなら、迎えるまでのあいだ十分な準備ができるからです。

ぜひ、この12のポイントを参考にしながらブリーダーや子犬と良い出会いができることを心より願っています。

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