しつけがうまく行かないと悩まれている飼い主の皆さん。
あなたのその指示は、愛犬にきちんと明確に伝わっていますか?
犬には文章を見てもらうこともできませんし、振り返っておさらいすることもできません。
瞬間、瞬間が大事なのです。
その鍵を握るのが「喜怒哀楽」です。
ぜひ、下記解説を読み愛犬とのコミュニケーション能力を高めてください。
テンションの高い人が好き
子供も同じだと思いますが、基本犬もテンションが高い人や犬が好きです。
子犬のうちはなおさらです。
もちろん、苦手な子や引く子、ある人や犬のテンションのみ反応するなど限定的な子もいますが・・・。
あと、成犬になるにつれて興奮していたり、しつこく戯れてくる子犬を不快に思う子も多いです。
ですが、そういった成犬であっても飼い主が明るく、楽しそうに呼べば「なになに?」っと尻尾を振りながら寄ってくるのではないでしょうか。
犬とは日本語であれ、英語であれ、言語を使って正確に思いを伝えることはできません。
だからこそ、しっかりとした感情表現が大切になってきますし、犬はそれをよく観察しています。
喜怒哀楽が大切
喜怒哀楽をはっきりと出しながら日々生活をしている人は、どれぐらいいるでしょうか?
心の底から笑い、怒り、悲しみ、楽しむことは簡単なようで難しいかと思います。
特に、日本人はそれらの感情を出すことが苦手な人は多く、「怒っているのかな?」「楽しんでくれているのかな?」など、不安に感じたことは誰しも経験にあるはずです。
その逆もしかりで、例えば誕生日プレゼントをもらったのに、喜ぶ表情がうまくできず、「相手を悲しませていないかな」など思うこともあります。
ただ、人間同士であれば、最終手段として文章で思いを伝えることができますが、愛犬に対してはそれができません。
だからこそ、言葉の代わりにしっかりと表現で伝える必要があるのです。
西欧人は犬の扱いが得意なのはなぜ?
西欧人は犬のトレーニングが得意な人が多いです。
色々な要因はありますが、感情表現が豊ではっきりしていることが大きいと思います。
以前、ジャックラッセルテリアを4頭飼われているアメリカ人女性の方とお話しする機会がありました。(日本語はペラペラです。)
ジャック達も揃っておとなしく「まて」をしていたことに驚いたことを覚えています。
と言うのも、ジャックは元気いっぱいの子が多いからです。
ジャックばかり100頭ほど集まるイベントを主催したとき、最後に「まて」大会を行ったのですが、スタートの合図と同時に一斉に立ち上がり、どの子も継続していませんでした。
結局、優勝判別ができずドローに・・・。
その光景を見たあとだったのでより印象に残りました。(もちろん、しっかりと「まて」ができる子もいっぱいいますよ。)
外国人女性は笑顔を絶やさず穏やかな方なのに、これだけ統率できるのはすごいと思っていたのですが、その矢先ジャック1頭が「まて」を自ら解除しようとしていました。
瞬間、その方は顔の表情を一変させ、険しい顔で「Wait」と低く唸るような声で一喝。
ジャックは再び「まて」に戻りました。
そして、その女性も何事もなかったように笑顔で続きを話し始めました。
しつけやトレーニングがうまくいかない原因
私たち日本人は、愛犬を連れて誰かと話している最中に「しつけ」だとは言え、先の外国人女性と同じことができるかと言えば難しい方が多いのではないでしょうか。
ですが、求めていることを明確にはっきりと伝えているわけで、犬かれすればこれほどわかりやすい「指示」はありません。
逆に、曖昧(無表情)で一貫性のない(環境によって良い時とダメな時がある)方が愛犬を混乱させるだけです。
飼い主の指示が不明瞭で、何を求められているのかわからないのに「言うことを聞かない」とレッテルを貼られたのならたまったものじゃありません。
実際、しつけ教室を実施していても、おとなしめで表情をあまり表に出さない飼い主は苦戦されていることが多いです。
「飼い主が変われば愛犬も変わる」
これは、私の持論です。
もちろん、例外はありますがうまく行かないと感じているのであれば、表面上のテクニックや、おやつに頼り続けるのではなく、まずは自身の愛犬との接し方を見直すことが重要です。
その第一歩が「喜怒哀楽」をしっかり愛犬に表現することです。
そうすれば、愛犬もあなたの意図を汲み取ろうとより観察し、理解に努めようとするはずです。
まとめ
犬とのコミュニケーションにボディランゲージは欠かせません。
犬同士も「カーミングシグナル(動物のボディランゲージ)」を出し合いコミュニケーションをとっています。
尻尾を振ることも丸めることも、耳を立てることも下げることも全てカーミングシグナルです。
「喜怒哀楽」はジェスチャーも加えるとより効果的です。
ひと同士では、その場でうまく表現できなかったとしても、後日LINEやメールなどで補足説明することができますが、犬にはそういうわけにはいきません。
そのとき、そのときにしっかり、最大限感情豊かに、ジェスチャーを交え伝えることがとても重要です。
ぜひ、意識して取り組んでみてください。