しつけ(ドッグトレーニング)は『愛犬の命を守る』ことが目的です

命あっての物種です。

当たり前ですが見逃しがちです。

あなたは「命を守るため」のしつけ(トレーニング)をしていますか?

命を守れなければ、それはしつけではなく芸です。

「褒めて育てる」だけでは限界もあります。

数千頭のワンコと飼い主を見てきた経験からそう断言できます。

この記事では「しつけ」を見つめ直し、意識を変え、真の意味で家族を守る飼い主さんになるための考え方をお伝えします。

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目次

外飼いから内飼いへ

「大げさだなぁ」

と思われている方もいらっしゃるかもしれません。

一昔前ならそうかもしれません。

私が子供の頃は外飼いが当たり前で、且つ犬は散歩の時以外は四六時中固定リードに繋がれていました。

たまに、首からスッポリ抜けて脱走し、家族全員で追いかけた記憶が蘇ります・・・。笑

ですが、今の時代は内飼い(家の中で一緒に暮らす)が主流となり、散歩のとき以外は四六時中ノーリードのご家庭が多いと思います。(サークルやクレートに入っていてもリードはつけていませんよね。)

さらには、ノーリードを前提として遊ばせるドッグランのような施設も増えてきています。

愛犬がノーリードで過ごすことによる事故が増えている

ノーリードの機会が増えたことによる新たなトラブルが頻発しています。

  • 玄関からの飛び出し
  • ドッグラン開閉時の飛び出しや犬同士の喧嘩etc.

道路へ飛び出し不幸にも交通事故で亡くなってしまう事例も報告されています。

また、ドッグランで犬同士の喧嘩を誰も止められず大怪我を負うといったケースも多々あります。

また、そこまでは至らずとも「ヒヤッ」とした経験は誰にでもあると思います。

そんなとき、しっかりとマテや呼び戻しができていれば不幸な事故は防げるのです。

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非常時こそしつけ(トレーニング)の真価が問われる

私は非常時(イレギュラー)のときこそしつけやトレーニングの真価が問われると考えます。

なぜなら、うちの子が命の危険にさらされる状況下になるからです。

「うちの子は3回に1回ぐらいは呼んだら戻ってくるかな」としつけ方教室でおっしゃるかたがいます。

そのとき、いつもこう言います。

「道路に飛び出したうちの子が、戻ってこない2回だったらどうするんですか?」と。

まるでロシアンルーレットのようです。

1回で戻ってくるようにするにはかなり真剣にトレーニングを行う必要があります。

呼び戻しは1回で戻ってくる必要がある

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命を守るしつけ(トレーニング)におやつは不向き

例えば、未就学児と街を歩くとき細心の注意を払うと思います。

少しでも道路に飛び出しそうになると「危ない」っと迫力ある大きな声で制止しませんか?

決して「○○ちゃん外に飛び出しちゃだめよぉ」っと優しく言わないと思います。

ましてや、お菓子を見せながら「おやつあげるから戻っておいで」とはしないはずです。

昨今、褒めたり、おやつをあげて育てるしつけ(トレーニング)が主流となっています。(陽性強化と言います。)

それだけで育てることができるのであればそれがベストに違いありません。

ですが、飼い主にとってやめて欲しい行動を修正するとき、飼い主の褒め言葉やおやつ以上に魅力的なものがあるときなどは高度な技術が必要となります。

例えば、吠え止んだらおやつをあげたり、褒めたりするしつけ(トレーニング)をされている方がいると思いますが、その行為は正しく犬に伝わっているでしょうか?

飼い主は吠え止んだからおやつをあげたと思っていても、犬からすれば吠えたらもらえたと認識している可能性もあります。

そのタイミングは犬によって異なったりするため、十分にうちの子を観察をして見極める必要があります。

問題行動を褒めたりおやつをあげて修正するにはタイミングが極めて重要

おやつの切れ目が縁の切れ目?

おやつを使ったしつけ(トレーニング)をする場合、最終的には抜いていくのが理想ですが、与えることが常態化している飼い主は多いかと思います。

その結果、おやつがないと言うことを聞かないワンコになったりします。

おやつがなくても言うことを聞かせる自信はありますか?

「おやつの切れ目が縁の切れ目」になっていませんか?

おやつは最終的に与えずとも従わせることが重要

道路に飛び出すうちの子におやつは通用しない

非常時にいつもおやつを携帯しているとは限りません。

仮に、携帯していたとしても瞬時に取り出すことは可能でしょうか?

仮に、仮に、取り出せたとしてもそれは道路に飛び出したり、他のワンコに喧嘩を挑む勢いを止めるだけの効力はあるでしょうか?

私は難しいと思っています。

以上のことから、「命を守る」ためのしつけ(トレーニング)におやつは不向きだと考えます。

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母犬に習う

子供の頃、親は誰よりも何よりもおっかない存在だったりします。

子犬にとっては母犬がそういった存在です。

母犬は子犬が勝手な行動をしたり、気に入らない行動をすれば唸ったり、「ワンワン」と一喝して叱ります。

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唸ったり、一括している動画が見れます。

その迫力に子犬たちは威圧され落ち着きを取り戻します。

うちの子にとってそう言った存在になっているでしょうか?

甘やかしてうちの子の言いなりになっていませんか?舐められていませんか?

母犬は子犬が気に入らない行動を取れば唸ったり、一喝する

嫌なことは嫌と毅然と伝えることが大切

母犬の教育方法は「嫌なことは嫌だ」と明確に表現こそすれ、「叱らず、嫌なことをやめれば褒める」といった行動は取りません。

子犬は、自分が今からしようとする行動以上に、母犬に叱られる行為が嫌だと思うので行動をやめます。

今玄関を飛び出すより、他のわんこと喧嘩する以上に飼い主に叱られる方が怖いと思えば自制心が働いてきます。

それでも、道路に飛び出そうとしたときに、「マテ!」「戻りなさい」など言いながら迫力ある一喝をしてみてください。

「ビクッ!」としながら、冷静になり戻ってきたら成功です。

「勝手にどこかに行こうとする欲求より、飼い主に叱られる方が怖い」といった意識がうちの子に刷り込まれれば1回の呼び戻しで帰ってくるようになります。

その前に、勝手にどこかへ行かなくなります。

常に飼い主の顔色を伺う子にすることで命を守りやすくなります。

飼い主は愛犬に対し「優しさと厳しさ」を持ち合わせる必要がある

まとめ

ペットとコンパニオンアニマルの違いってわかりますか?

「ペットと コンパニオンアニマルはイコールではなく、正しい躾とマ ナー、獣医学的なケアをうけていることがコンパニオン アニマルの条件である」

コンパニオン・アニマル(CA)の現状と課題 ―神奈川県、横浜市の動向を手がかりに―横浜国立大学大学院 環境情報学府 福井 弘教

うちの子を家族だと思っているのであれば、命を守るのは親である飼い主の責任です。

そして、我が子の命を守ると言うことは、他人のワンコの命を守ることになります。

命を守るトレーニングは真剣勝負です。そのことを頭に入れておいてください。

「命を守る」ための方法は、今後、随時公開していきますね。

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