愛犬にクレートって必要ですか?
と聞かれたとすれば、逆に「家の中で飼う上で必要じゃない理由は一切ない」と答えるぐらい重要です。
子犬を迎え入れたとすれば選択肢なく自動的にクレートトレーニングはするものだと思ってください。
まだ、用意されていない方、昔買ったけどそのまま放置している方、中途半端な状態の方は、この記事を参考にして実践してみてください。
クレートはなぜ必要?
- 犬は本能的に狭くて暗い場所が落ち着く
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よくソファーの下や、家具の隙間などにいますよね。
飼い主が落ち着かせたいと思っているときにクレートに入ってもらうことも重要です。(テンションコントロール)
- テリトリー(縄張り)を広げない
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オールフリーなワンコは家全体が自分の縄張りだと勘違いします。
そして、そのエリアは拡大していきます。
- 以前、マンションの4階に住んでいる飼い主から「うちの子がロビーに人が出入りする度に吠えて困っている」と相談を受けました。
- 最初は4階の廊下から始まり、3階、2階、そしてロビー階と吠える範囲が広がっていったようです。
- 家の中ではクレートやサークルもなくオールフリーとのこと。
- 家のみならず、マンション全体がこの子の縄張りと化しました。そのテリトリーはどこまで広がっていくのでしょう。
広がれば広がるほど、愛犬は自分の領域を守るため侵入者に過剰に反応し吠え続けなければなりません。
愛犬の精神的負担も相当です。
「ここはあなたも一緒に暮らしている家だけどあなたに守ってもらう必要はありません。」と愛犬に教え安らげる場所を提供してあげることが重要です。
- 移動できる部屋は絶対必要
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病院で入院させるとき、ペットホテルに預けるとき、お宿に泊まるとき、避難所で過ごすときなど、常に安心して落ち着ける部屋が持ち運べるというのはとても重要です。
- 公共交通機関はクレートが必須
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飛行機や新幹線はそのまま愛犬を乗せることはできません。
その時だけクレートを用意した場合、愛犬は不安でパニックになる可能性もあります。
愛犬と楽しく駅から散歩in茅ヶ崎駅南口②【雄三通りからえぼし岩】 青柳幸利先生が提唱する「1日8000歩、そのうち早歩き20分」の著書を参考に始めたこの企画。見知らぬ駅に降り立って、愛犬と一緒に新しい発見や経験をしてみませんか?今回は、茅ヶ崎市のメインストリートから海へと歩きます!! - 車移動でも安全管理・事故防止として必要
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車内でフリーにさせている方をよく見かけます。
なかには、膝の上に乗せ運転している飼い主もおり非常に危険です。
急ブレーキしたときなど、真っ先に吹っ飛ぶのは愛犬です。
- 私が昔飼っていた愛犬と旅行に行った帰りの出来事です。
- サービスエリアで散歩をさせたあと、クレートに入れず車内に待機させ、鍵をつけたままゴミを捨てに行きました。
- その瞬間に、愛犬が運転席に移動し暴れた勢いでインロックしてしまいました。(昔の車はドアロックが出っ張っていましたよね。)
- 本人も「悪いことした」と思ったのかおとなしくおすわりをした状態で、飼い主が外で慌てている様子を眺めていました。
- 急いでJAFを呼び開けてもらいましたが、夏の炎天下だったらと思うとゾッとしました。
ほんの少しの時間でも、愛犬は想定外の行動に出るものです。
クレートの重要性を噛み締めながら家路につきました。
車のドアや全開にした窓から飛び出す可能性だってあります。
車外に出るとき、クレートを開けリードをつけてから車のドアを開ける習慣をつければ、より愛犬の事故防止に繋がります。
また、毛が抜けやすい犬種はクレートに入れることで飛び散りにくいというメリットもあるかと思います。
(犬を飼われていない方を車に乗せる機会がある方など、毛がシートについていないか気になりますよね。)
クレートの選び方は?
クレートにはハードクレートとソフトクレートがあります。
ハードクレート
定番のクレートで私も利用しています。(画像をクリックするとAmazonにジャンプします。)
丈夫なので上から物が落ちてきても安心です。
形も変形しないので安定感もよく愛犬もよりくつろげると思います。
サイズは、成犬時の体高(ワンコが立った状態の地面から背中までの高さ)より少しだけ大きめが理想です。
なお、多頭飼いしている場合は1頭につき一つ用意してあげてください。
コンパクトに折り畳めなかったり、持ち運ぶには多少重いかもしれませんが、メインクレートとして一つはあった方が良いと思います。
ソフトクレート
私はこちらのソフトクレートも予備用として用意しています。(画像をクリックするとAmazonにジャンプします。)
ソフトクレートの最大のメリットはコンパクトに収納できることです。
ハードに比べると通気性の高い物が多く夏場などは良いかもしれません。
ただ、衝撃に弱かったり、暴れる犬だとクレートごと転がったり変形する可能性もあります。
また、ファスナータイプだとそこを噛んだり前足でカリカリして壊してしまうこともあります。
実際、先ほど登場したインロックした我が先住犬は、4個ほどハードクレートを壊しています。(笑)
あくまで、ハードクレートの予備としてご用意されることをおすすめします。
クレートの置く場所は?
「絶対にココが良い」という場所はありませんが固定化しない方が良いと思っています。
どのような場所でもクレートの中にいれば安心して寝られる子になれば、引っ越しや、病院に入院するなど環境が変わっても順応しやすくなります。
もちろん、トレーニングの状況、その子の性格によって段階はあると思いますので最終目標としてお考えください。
クレートトレーニング方法は?
- 子犬であれば、母犬の匂いのついた布やタオル。
- なければ、飼い主の匂いのついたものをクレートの中に入れてあげてください。
- クレートの中から安心する匂いがすることで少しでも入ることに対する抵抗感を減らします。
まずは、クレートの外で「まて」を覚えさせてください。(下記記事参照)
- 「まて」ができるようになれば、待たせた状態で食器をクレートの奥に入れ、「よし(言葉は何でもいいです)」と言って「まて」を解除してください。
- 愛犬がクレートの中に入りご飯を食べたらOKです。
- もし、中に入るのに抵抗を感じているようであれば、最初はクレートの手前に食器をおいて慣れてきたら徐々に奥に入れても構いません。
ステップ1を何度か繰り返すと、食事の準備をし始めたら自らクレートの中に入るようになります。
その状態で「まて」をしてください。
しっかり「まて」ができたら「よし」と言って与えてください。(クレートの扉は着脱式が便利です。)
- ご飯をあげる準備をしているときに、自らクレートの中に入るタイミングで「ハウス」と言ってください。(「おうち」とか、「入れ」とか何でも構いません。)
- 何度か繰り返し行なったあとに、食事の準備をしていない状態で「ハウス」と言ってみてください。
- その指示で自ら入るようになったら「ハウス=クレートの中に入る」の条件付けがなされたことになります。
ここまではクレートの扉が開いている状態で行ってください
- クレートの中に食器を入れ扉を閉め「まて・よし」と言って食事を与えてください。
- 「ハウス」と言ってクレートの中に入ったら扉をしめ、しばらくしたのちに開けて「まて・よし」と言って食事を与えてください。
- 自ら中に入っているとき、あるいは「ハウス」と言って入ったタイミングでクレートを閉めて、しばらくした後に開けてください。
- クレートの中で吠えていたり興奮している間は開けず、落ち着いたら開けてください。
- クレートに入れている少しの間、その部屋を出てみたり、ちょっとした買い物などに出かけたりして誰もいない状態も作ってみてください。
「飼い主がいない=クレートにいれられる」とならないよう飼い主が部屋にいるときも定期的に愛犬をクレートの中に入れ扉を閉めることが重要
- 子犬のうちは数時間ですが、成犬になると最大10時間前後おしっこを我慢できると一般的に言われています。(もちろん、個体差はあります。)
- 愛犬の年齢に応じた時間で家に戻れる場合、クレートを閉めた状態でお留守番させてみてください。(暑い夏はエアコンの設定なども忘れずに!)
- 子犬のときの仕事などによる長時間に及ぶ留守番の場合、まずはサークルとクレートの組み合わせから始めるのが理想です。
クレートの中で排泄をしたときは叱らず黙々と掃除をしてください
- 最初の一歩は勇気が入りますが、飼い主も愛犬も経験を積むことで慣れてきます。
- クレートのサイズによって有料の場合もありますので、出かける際は事前に各電鉄会社に確認をとってください。
- 私が先住犬を初めて車に乗せたとき、トイレが心配で高速道路ではサービスエリアはパーキングエリアごとに立ち寄って散歩させてました。
- 初めて新幹線に乗せたときは、気が気じゃなくずっとデッキで過ごしていました。
- 「うちの子は絶対に預けることはない」と将来に渡り断言することはできません。
- 最初は不安ですが、できる限り子犬(若い)のうちから様々なタイプのドッグホテルやお宿に預けたり泊まったりすることで柔軟性が養われます。
- シニアになってから初体験しても過度のストレスでパニックになってしまうかもしれません。
- 愛犬の性格や上達度に応じて順序を飛ばしたり戻ったり柔軟に対応してください
【NG】クレートトレーニング
「粗相をした」「吠えてうるさい」など罰や、飼い主が叱る代わりとしてクレートの中に愛犬を入れないでください。
クレートが嫌な場所となり、今後のトレーニングに大きく支障をきたします。
粗相は無視をして片付け、飼い主が直接叱ってください。
なお、緊急避難的にクレートの中に入れなければいけない状況もあるかと思います。
その場合は「ハウス」など指示を出さずに抱き抱えてクレートに入れるなどしてください。
まとめ
どのほどの期間でマスターできるかは、飼い主がどれだけ真摯に取り組めるかも重要ですが、生まれ育った環境(ブリーダーやペットショップでトレーニングをしていたか)や、その子の性格によって変わってきます。
途中で諦めずに根気よく続けてみてください。
なお、クレートの中で吠え続けている場合、まずは「無視」をすることで諦めさせ、落ち着かせるのが王道です。
ですが、ご近所迷惑や、来客中、睡眠時間などの場合限界もあったりします。
その場合は、クレートにタオルなどをかけてみてください。
目隠しと少しの防音効果があります。(呼吸がしっかりできるよう注意してください。)
また、上記で紹介したクレートのオプションとして下記カバーなども販売されています。(画像をクリックするとAmazonにジャンプします。)
動物病院などへ連れて行くときも重宝するかと思います。
吠える声が日常生活に深刻な影響を与える場合、老犬で夜泣きが酷い場合などは防音設備の整った部屋などもご検討ください。
クレートトレーニングがバッチリできれば、活動の幅がぐんと広がります。
ぜひ、愛犬と一緒にお出かけをとことん楽しんでください!!