多頭飼いに向かない犬と飼い主、チェックすべき6つのポイントを解説。

ワンコと一緒に暮らす楽しさを味わうと「もう1頭欲しい」と思う飼い主さんも多いはず。

実際、運営していたドッグイベントやしつけ方教室での多頭飼い参加率は高く、一層充実したドッグライフを過ごされている方を何人も見てきました。

一方、「先住犬と仲が悪い」「よくケンカをする」「しつけが大変」といった悩みを抱えた方の相談もよく受けました。

多頭飼いはうまくいけば喜びも2倍以上になりますがいかなければ先住犬はストレスを抱え、その姿を見る飼い主も辛くなり「こんなはずではなかった」と日々後悔しながら過ごすことになります。

今回は「多頭飼育に向かない犬(人)」を経験を踏まえ解説します。

2頭を迎え入れることを検討している方はぜひ参考にしてみてください。

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目次

多頭飼いに向かない考え方

多頭飼いをする大きな理由として「留守番のとき寂しくないように」「一緒に遊べる子を欲しがっている」など「愛犬のために」と考え検討している方が多いようです。

ですが、本当に先住犬はそう望んでいるでしょうか?

もし、愛犬にとっての幸せを考えるのであれば、それは飼い主と四六時中一緒にいることです。

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ですが、現実は留守番をさせなければいけないなかで、一緒にいる時間は飼い主を独占したいと思っているはずです。

その貴重な時間を別の犬に奪われることを自ら望むことはありません。

相性が悪ければストレスを相当抱えることにもなるでしょう。

自分の代わりに他のワンコをあてがって先住犬の気を紛らわそうとするならば、それはありがた迷惑となる方が多いかもしれません。

もちろん、仲良くなる可能性だってあります。

その場合、留守番中に2頭がフリーや同じサークル内で過ごす時間が多ければ多いほど依存しあいます。

結果、犬同士の関係を重視し飼い主は蚊帳の外に置かれたり、どちらかが亡くなったときロスから残されたワンコが精神的に立ち直れない可能性だってあります。

いずれにせよ「先住犬のため」であるならば多頭飼育はおすすめしません。

飼い主のために迎える

私は、自分(飼い主)のために次の子を迎え入れることはありだと考えます。

「あなたのためよ」と恩を着せるのではなく「私が欲しいからよろしくね」の方がスッキリします。

ただし、先住犬、飼い主ともに多頭飼いに向かない犬(人)もいます。

次章では具体的にどのようなタイプがそうなのか説明をしていきます。

多頭飼いに向かない飼い主

飼い主が迎えたいと願っても、先住犬の性格や飼い主自身の知識やしつけ力によっては慎重に判断をする必要があります。

では、具体的に多頭飼いに向かない犬・飼い主を解説します。

  • コントロールができていない
  • シャイだけど気が強い
  • よく吠える
  • 攻撃的・噛む
  • 飼い主への依存が強い
  • シニア犬

コントロール(しつけ)ができていない

私はしつけをする目的は「愛犬の命を守るため」だと考えます。

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先住犬の命を守るしつけができていないと、2頭目も当然できません。

2つの命を守るには相当なパワーが必要です。

主導権は持っていいますか?

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これらは基礎的な知識としつけになります。

できていなければ、2頭が来ることでより無法地帯となる危険性があります。

まずは先住犬のトレーニングを徹底されるところから取り組んでください。

シャイだけど気が強い

先天的におとなしかったり臆病な子は一定数います。

その子たちは基本2頭目が来ることでストレスになることも多いですが、同じような性格の子犬を迎えるなどすることで慣れてもらうことは可能です。

ですが、シャイな子に対し無意識に飼い主が気を強くさせてしまっているケースがあります。

それを私は「シャイだけと気が強い」と呼んでいますが、そうなると迎える子に対し飼い主の前では攻撃的となり最悪噛んでしまうこともあります。

また、本人にも相当な精神的負担となります。

「気が強い」をなくすことが先決となります。

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よく吠える

先住犬がよく吠える場合、2頭目もかなりの確率で吠えるようになります。(その逆も然りだったりしますが・・・)

実際、多頭飼いで大合唱をしているワンコ達をよく見かけます。

複数頭の吠え癖を矯正するためのエネルギーは膨大です。

吠え癖を全くなくすことは難しくても、ある程度コントロールできるようになることが先決です。

なお、遺伝や繁殖環境、犬種によって過剰に吠えてしまう子もいます。

環境面がそれを許容しない限りは多頭飼いに向かない犬と言えます。

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攻撃的に噛む

現時点で飼い主が噛まれているのであれば、それをやめさせることが絶対条件となります。

2頭目に噛み、それを静止しようとした飼い主も噛まれるといった地獄絵図になってからでは遅いです。

攻撃的に噛む子を矯正することは非常に難しく、ときには専門家の力も借りる必要があります。

一時期やめていても、飼い主のしつけが緩くなったり、環境の変化により再び噛み始めるなど迎えた子の命の危険すらあります。

いずれにせよ先住犬が攻撃的に噛む限り多頭飼いには向きません。

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飼い主への依存が強い

他のワンコを触ろうとするとストーカーのように睨んできたり、吠えたり、割り込んできたり、その犬を威嚇しようとする子がいると思います。

2頭目がきた場合、独占欲が強い先住犬のストレスは容易に想像ができると思います。

この依存関係は飼い主が求め、そう無意識に仕向けていることも多くワンコだけの問題でもありません。

多頭飼いを望むのであれば、愛犬、飼い主双方の関係性を見直す必要があります。

シニア犬

何年、何十年培った習慣や飼い主との関係性を、子犬が来ることで一気に壊されることをすんなり受け入れるシニア犬はいません。

基本嫌がるものだとお考えください。

ただ、例外としてシニア犬が元気になることもあります。

私が飼っていた先住犬は、ボール遊びが大好きでしたが老犬になりほとんど取りに行かなくなりました。

ですが、子犬がきてその子が遊ぶとつられて走り回るようになりました。

本人は静かな余生を望んでいたのかもしれませんが、私たち家族は「元気になって良かったね」と当時は言い合っていました。

「飼い主のペットロス」を少しでも和らげるため新たに子犬を迎え入れるのは私はありだと思っていますが、上記問題(シャイだけど気が強い、攻撃的に噛む、依存が強いなど)の改善が難しいのであれば控えた方が良いでしょう。

まとめ

今回は多頭飼いに向かない犬(飼い主)に焦点を当てて解説しました。

それに加え経済面や、環境面、家族構成(新たに子供が生まれるなど)も踏まえ2頭目を迎えるかを慎重に検討をする必要があります。

私は、多頭飼育を始めてしばらくしたのちブリーダーにその子達を戻してしまった過去があります。

自分達も若く、幼い子供が何人もいるなかで無理がありました。

ワンコたち、ブリーダーには大きな迷惑をかけてしまいました。

先住犬が亡くなりその反省もあってしばらく犬を飼わない日々を過ごしましたが、今は縁あってウィペットとヨープーのミックス犬と暮らしを満喫しています。

保健所や里親団体が多頭飼育崩壊による放棄犬を保護したとのニュースもよく流れます。

そこは誰しもが紙一重だったりします。

多頭飼いは楽しいことは間違いありませんが、ぜひ向かない理由も踏まえ慎重にご検討ください。

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