愛犬と本当の信頼関係を構築するには?2つのチェックポイントを確認!

「愛犬と信頼関係が築けているか」

どの飼い主も素朴な疑問としてお持ちだと思います。

何を持って「築けている」と言えるのかは、各専門家や家庭によって異なるかと思います。

そこで、今回はこれまで実施してきたしつけ教室やドッグイベントの経験をもとに私が考えるそのチェックポイントをご紹介します。

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目次

チェックポイント1:愛犬が嫌がることを行える?

親は子供を全力で守ります。

私は犬を「家族の一員(コンパニオンアニマル)」として飼う以上は「愛犬の命を守る」ことが最低限の飼い主の義務だと考え、ことあるごとにそのことを訴えています。

詳しくは下記記事をご覧ください。

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そのためには、愛犬がイヤだと思うことも受け入れてもらう必要があります。

ですが、「愛犬に嫌われるようなことをしたくない。」「怖くてできない。」と言った飼い主もいます。

そのような方には「愛犬が誤飲をしたときに素早く口から取り出せるでしょうか?」と尋ねます。

実際、私の妻の実家で飼っていたゴールデンレトリバーはおもちゃの誤飲が原因で亡くなりました。

具体的には、おもちゃを飲み込んでいたことに気づかず、食欲がなかったので動物病院に連れて行きレントゲンを撮って判明、開腹手術後の入院中に亡くなったようです。

手術に対する疑問、不信はありますが、おもちゃの管理をしっかりとしておけばよかったとう後悔は強く残ります。

仮に、義両親の目の前で「愛犬がおもちゃをくわえ飲み込むかもしれない」という状況になったとき、咄嗟に「はなせ」と指示を出し愛犬が従ってくれるのか、無理な場合は口を開け取り出すことができるのか、どうだったでしょう。

なすすべなく誤飲する我が子を見続けるほど辛いことはありません。

もし、それが毒や針入りのペットフードやおやつだったらどうでしょう?

神奈川県内の各地で路上に待ち針が刺さったペットフードがまかれているのが6月下旬以降、相次いで見つかっています。座間市では飲み込んだ犬が入院して手術を受ける事態になり、警察が動物愛護法違反の疑いで捜査しています。

NHK:2022年7月2日

私が、犬を憎む人物なら大好物の中に仕込むはずです。

口を開けることを嫌がり(威嚇をしてくるかもしれません。)、抵抗する我が子の口を無理矢理でも開けて取り出すことはできるでしょうか?

そのとき「おやつと交換」といった余裕がありますか?

あったとしても、そのおやつ以上にくわえている物の方が好きな場合は交換に応じてはくれないかもしれません。

「愛犬の命を守る」ときは非常時です。

「褒める(陽性強化)」、あるいは「愛犬の嫌がることはしない」しつけのみをされている場合、非常時には通用しないことが多いと私は考えます。

「緊急時にうちの子を助けられるか」

それを前提に、しつけやトレーニングは取り組むべきで、できないのなら「しつけ(トレーニング)ごっこ」だと思います。

誤飲して、全身麻酔をして手術をすることになればさらにリスクが高まります。

「飼い主は愛犬を守るために嫌がることでも行う勇気、それを抵抗なく受け入れるうちの子。」

それが「信頼関係」を確認する一つのチェックポイントだと私は考えます。

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チェックポイント2:外出時の飼い主への関心度は?

「うちの子家の中では言うこと聞くんですが、外に出るとダメです。どうしてでしょうか?」

といった相談をしつけ教室ではよく受けます。

具体的には、「リードを引っ張る」「拾い食いをする」「通行人や犬に唸る・吠える」「ドッグランで名前を呼んでも戻ってこない」などの行為に対して、飼い主がコマンドを出したり、呼んでも無視をされるといったケースです。

当然、それらには様々な要因が絡み合っているので一概には言えませんが、「飼い主に関心がない」ということも原因の一つだと考えられます。

実際、散歩中やドッグランで走り回る犬を観察していますと「存在感ゼロ」の飼い主をよく見かけます。

ただ「リードを持っているロボット飼い主」「ドッグランに連れて行きリードをはなすための人」といった具合に・・・。

家の中では上位だった愛犬の飼い主に対する関心度が、外出すると、においや、落ち葉、通行人や、他の犬、走り回ったり、遊んだりすることに比べ優先順位が大きく下がっていると言えます。

それが顕著に現れるのが「ドッグラン」です。

飼い主がいくら呼んでもガン無視している犬を見かけませんか?

最後はおやつを見せびらかせてなんとか捕獲、言わば騙し討ちです。

この関係に「信頼」はあると思いますか?

関係性がしっかりできていれば、どれだけ遊んでいても頭の中に飼い主の存在を忘れず意識しています。

そして、名前を呼ばれると、おやつなどご褒美がなくても無条件に反応して戻ってきます。

私が懸念するのは前章でもお伝えした「非常時」です。

例えば、ドッグラン内の遠い位置で犬同士のケンカが始まったときに、飼い主に関心のない犬を止めることができるでしょうか?

大怪我をしたり、させたりしてからでは遅いです。

ちなみに、私はそのような無法地帯のドッグランに愛犬を入れません。

家であろうが、外であろうが、ノーリードであろうが「どんな時でも常に飼い主を意識して行動する愛犬(飼い主への関心度)=信頼関係」だと私は考えます。

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依存と信頼は違う

よく混同しやすいのが「依存関係」と「信頼関係」です。

これは、シャイ(臆病)な子に多いのですが、家の中では飼い主にべったりしてすぐに膝の上に乗ってきたり、外では「抱っこ」をせがむといったケース。

飼い主へは依存度は高そうですが、愛犬自身が望んでいないときに撫でたり、抱っこをしようとすると唸ったりするのであれば、それは「お犬様に従う従順な召使い」状態です。

そもそも信頼関係があれば飼い主に唸ることもありません。

私はこのようなワンコたちのことを「シャイだけど気が強い」と呼んでいます。

この行為は成犬になればなるほどより強化され、うちの子の機嫌が悪い時は誰も触れなくなります。

それではいざというとき愛犬の命は守れません。

主導権を飼い主に戻し、愛犬の感情に関係なくいつ、どこでも触れるようにすることが大切です。

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まとめ

「愛犬に嫌われたらどうしよう」とか「自分のこと好きだろうか」など思い、できる限り嫌がることをせず、ガラス細工でも触るように接している飼い主はいませんか?

本当に愛犬のことを思っているなら、家族の一員なら、命を守る上で必要なことを受け入れてもらわなければいけません。

抵抗するかもしれませんが、根気よく行わなければいけません。

そして、本当の信頼関係は、その先に存在すると私は思っています。

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