子犬の要求吠えに悩んでいる飼い主さんも多いはず。
理由は当たり前ですが、「飼い主が子犬の要求に応えるから」です。
従って、応えることを止めれば(あるいは減らす)大きく軽減されるはずです。
早めに対策を取らなければ、成犬になればより強化される可能性が高くなります。
今回は実例に基づいてその対処法をお伝えします。
子犬の要求吠えで悩んでいる方は直ぐにお試しください。
【実例】要求吠えがエスカレート・・・朝4時に起こされ散歩に行くご夫婦
私のしつけ方教室に3歳のミニシュナと暮らしているご夫婦が参加、「朝の4時に散歩に行けと要求吠えをされ困っている」とご相談。掘り下げて聞いてみると・・・。
子犬だった頃は8時頃に少し吠えたぐらいであまり深く考えず散歩に行っていたようです。
それが、成長するに連れて7時に吠え、6時に吠えと時間が前倒しになっていき、「さすがに早すぎる」と思いスルーしたところ一層強く要求吠えしてきたようです。
さらに、ベッドの上に乗りご夫婦の顔を前足でカリカリしてきたそうです。
このままでは「顔が傷だらけになる!」と飛び起き散歩に連れて行くことに・・・。
そして、今ではとうとう4時になったとのこと。
「このままでは3時、2時となり体が持ちません」と切実に訴えてきました。
何ともお気の毒な話ですが、この問題のポイントは大きく2点あります。
- 根気負けし要求に応え続けている
- 寝るとき、クレートやサークル、ケージなどに入れていない
ベッドの上に乗る行為そのものはクレートなどに入れることで防止できますが、要求吠えに屈しているのが根本原因であるのは言うまでもありません。
散歩に行くタイミング・時間は愛犬が決めている?
このミニシュナちゃん、初めは「吠える≠散歩」だったと思います。
ですが、飼い主が「おさんぽ行きたいんだね」と独自解釈を行い続けたことで「吠える=散歩」に条件付けされたのだと推察されます。
そして、いつの間にか「おい散歩に連れて行け!」とミニシュナちゃんが夫婦に命令を出す関係に発展したと考えられます。
恐らくミニシュナちゃんの思考回路は、
- なんだか吠えたらお散歩に連れて行ってくれたぞ(楽しいことが起きたぞ)。
- ↓
- 数日続く…。間違いない。吠えたら連れていってくれるんだ。
- ↓
- 早く行きたい。待ちきれない。吠えよっと。(時間が早まる)
- ↓
- 吠えているのに何で起きないんだ?それだけじゃダメだ。ベットに突撃だ!僕が起きろって言ってんだから起きるんだよ!!
とまぁこんな思考変遷でしょうか。
愛犬に主導権を渡していない?
子犬は新しい家族のもとにやってきて慣れてくると、家族の中の立ち位置(序列)やどこまで許されるのか、ワガママが通るのかを観察し試してきます。
そこで大切なポイントは「主導権を渡さない」と言うことです。
これ本当に重要です。
具体的方法は?
- 「お散歩連れて行け」と吠えた場合無視をしてください。できれば目も合わせないでください。気持ちとしては「あなたの指図は受けません。」と思っていてください。
- 吠え続けている間、一切無視をしてください。落ち着いたタイミングでお散歩の準備をしてください。(時間に余裕があれば、しばらく経った後に行くのもありです。)
なお、「早くご飯をくれ!」と要求吠えする場合も同様です。
重要なことは「あなたの指図は受けません」「私(飼い主)が散歩に行きたいタイミングで行くのであって、あなたのタイミングでは行きません」と思い行動に移すことです。
「常に主導権は飼い主が持つ」ことが極めて重要です。
要求吠えは飼い主が育てている
そろそろ散歩の時間だワン!
そうだったわね、今準備するからね
この主導権は飼い主ではなくうちの子です。
愛犬の言うことに対し飼い主が従っているという構図になります。
子犬のうちから主導権を明け渡すと、成犬になったとき、よりその意識が強くなり要求吠えも強化されていきます。
今まで、散歩や食事だけだったのが、「そこのソファどけや」「オレ様の許可なく動くな」などエスカレートしていきます。
そうなってからの矯正は一層の根気と時間がかかります。
早いうちに主導権を奪われないように振る舞うことが重要です。
決まった時間に食事を与えたり、散歩に行くのはやめよう!
「え、それダメなの?」っと思われたかもしれません。
もちろん、要求吠えをしないようなワンコであれば問題ないかもしれません。
ですが、要求吠えをすでにしている場合は(あるいはその兆候が見られている)愛犬に対して規則正しい生活を提供するのは得策ではありません。
食事を上げる時間や、散歩に行く時間は適当ぐらいがちょうどいいと思ってください。
同じ時間にしないといけないという義務などありません。
と教育して行ってください。
規則正しい時間にご飯を与えたり、散歩に行ったりするのをランダムに変えてみてください。
そうすれば、自ずと要求吠えはしない。あるいは収まって行くはずです。
要求吠えの強い愛犬は「気まぐれに」育てよう!
不規則な習慣が「かわいそう」だと思われる方、よく考えてください。
飼い主の暮らしは愛犬が生きている間変わらない保証はありますか?
『仕事が変わるかもしれない』『子供が生まれるかもしれない』『引っ越すかもしれない』など生活環境やリズムは日々変化するものです。愛犬に規則正しい生活を送らせていると、いざ変わったとき順応するのに時間がかかるかもしれません。あるいは、それが精神的ストレスになるかもしれません。結果、その方がうちの子を苦しめることになりませんか?
要求吠えをなくすには「気まぐれ」が一番なのです。そして、その気まぐれに柔軟に対応するワンコに育てましょう。
※たまたま、今回のご相談がミニシュナちゃんの飼い主でした。ミニチュアシュナウザーがよく要求吠えする犬種というわけではありません。