【ニューヨーク州のペットショップで子犬販売が禁止】日本でも必要?

気になったニュースをご紹介します。

ニューヨーク州のペット店では間もなく、犬、猫、ウサギの販売が禁じられる。繁殖施設ではペットが劣悪な環境にさらされていると動物保護団体が主張しており、そうした施設から動物が供給されるのを食い止めるために、法律で販売が禁じられることになった。

同法は12月15日、キャシー・ホークル知事の署名によって成立した。「子犬工場」「子猫工場」とも呼ばれる利益優先の大量繁殖業者を取り締まる目的で、同様の法律を導入している州は、カリフォルニア州やイリノイ州も含め、すでにいくつか存在。今回の立法で、ニューヨーク州もそうした州に加わることになる。

2022/12/20 東洋経済オンラインHPより

大きくは歓迎すべきことかもしれませんが、当然ながら立場によって賛否両論があるようです。

アメリカの事情はよくわかりませんが、日本に置き換えて考えてみました。

目次

日本のペットショップは大きく分けると3タイプ

日本のペットショップの形態としては主に下記に分かれます。

  • ブリーダー(繁殖業者)運営のペットショップ
  • 子犬仕入業者が主体のペットショップ
  • テナントとして子犬販売業者が入っているペットショップ

ブリーダー(繁殖業者)運営のペットショップ

規模としては小さく家族経営が多いです。

自家繁殖した子犬をメインに販売します。

最大のメリットは、販売をしているスタッフ(オーナー)自身がブリーダーでもありますので、その子犬のことを誰よりも把握している頼れる存在だと言えます。

また、母犬を確認できる可能性も高く、その子犬が大人になったときどのような大きさ、色、性格になるかなどある程度予測することもできます。

さらに、トリミングやドッグホテルも併設されているケースが多いので、近くであれば里帰りがてら安心してお願いすることもできるかと思います。

デメリットとしては、繁殖頭数に限りがありますので常時生まれているわけではないこと、お店が遠かったりすること、第三者によるフィルターがないため自身の目で見極める力が必要になってくることなどが考えられます。

口コミや紹介が重視される形態だと言えます。

ただ、予約販売は、衝動買いによる不幸を減らすためにも理想の形態だと私個人的には考えています。

ブリーダーに関する記事は下記をご覧ください。

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子犬仕入業者が主体のペットショップ

コジマさんや、ペッツファーストさん、ペットプラスさんなどが代表的です。

元々、生体販売をメインにしていくなかで、ペット用品や、トリミング、動物病院などを併設していくスタイルです。

最大のメリットは、取り扱い犬種や頭数の多さです。

また、展開をしている店舗などでは、そのお店にいなくても、別のお店で見つけることもできたりします。

さらには、近年は品質管理に力を入れてきていますので(逆に疎かにすると成り立たなくなってきています。)、ブリーダーや繁殖業者に対してのチェック機能としての役割も担っていると言えます。

正直、私がこの業界に足を踏み入れた当時は、ペットショップによる生体販売トラブルの話はよく耳にしましたし、私も完全否定したいぐらいの気持ちはありました。

ですが、大手ペットショップのバックヤードを見学したり、取り組む姿勢を聞いたりするなかで、まだまだ改善の余地はあるにせよ、一つの子犬入手ルートとしてあって良いものだと感じています。

もちろん、胡散臭いショップはまだまだ存在しますしそれらは速やかに淘汰されるべきです。

いずれにせよ、法改正が強化されてくるなかで、それに対応できる業者と、そうでない業者に分かれ二極化が進んでいくと思われます。

デメリットは、親犬(母犬)の顔が見れないことが最大だと考えます。

100%ではありませんが、親犬の大きさや性格を知ることで、その子犬がどのような子になるかを予測することはできます。

同じ犬種であったとしても、性格は千差万別です。

新しいご家族に合わない性格の子犬を迎え入れることは、飼い主、ワンコ双方にとって不幸なことです。

もちろん、子犬そのものを見てもある程度性格判断はできますが、確率を高めるためにも親犬を見ることは大切です。

最近ではミックス犬の販売が増えていますので、一層重要度が増していると言えます。

テナントとして子犬販売業者が入っているペットショップ

イオンペットさんや、ペットフォレストさんが代表的です。

生体を取り扱っていない店舗もあれば、上記のような生体販売業者がテナントとして入っているケースもあります。

「ペット用品販売と生体販売が別業者」というスタイルを知らない方は多いと思います。

ですが、今後生体販売のハードルが上がっていくなかで、このような店舗は増えてくると予想されます。

ソフトよりもハード

動物愛護法は年々強化されています。

それ自体は歓迎すべきことですが、まだまだハード面重視なのが現状です。

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具体的には、飼育・飼養施設の環境面や頭数管理、繁殖可能回数や年齢、スタッフの人数などの規制です。

遺伝や病気、交配に関する知識を厳しく問うものではありません。

ハード面は法律に準じ整っていても、それらの知識が十分にないまま繁殖をしているのならば片手落ちです。

一般の方がそのソフトを見極めることは難しく、ペットショップが役割を担っている面も現状否めません。(もちろん、信頼できるペットショップという前提とはなりますが・・・。)

もちろん、志高く、経験値を高めながら日々研鑽しているブリーダーは多くいます。

ですが、そうでないブリーダーや繁殖業者が一定以上存在し続けるのであれば、知識を問う資格試験のようなものが必要なのかもしれません。

まとめ

「子犬工場」を取り締まることに議論の余地はありませんし、ペットショップがそのような繁殖業者から仕入れての販売を禁止することも激しく同意しますし、日本でも強化されることを望みたいです。

ですが、「全面的」である必要はないと思います。

なぜなら、ブリーダーのなかでも、販売は信頼のおける販売業者に任せ、ブリーディングに専念したい方もいますし、ショップが独自の厳しい基準を設けることで、それに適合するため努力をするブリーダーもいるからです。

良質なブリーダーから入手している場合や、管理や検査をしっかりと行った上で販売しているペットショップまでもが十把一からげにされてしまうことは避けなければいけません。

いずれにせよ、ペットショップでの販売規制を強化する前に、優先順位として高いのは「川上」である、ブリーダーの質を高めるための対策、特にパピーミルが営業できないよう、ソフト、ハード両面のハードルをあげるべきだと考えます。

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