子どもが生まれる前に犬を飼う良さを、筆者経験をもとに解説します。

我が家の長女は「犬」です。

後に子供が5人生まれ、最後の子が生まれたのを見送るようにして、長女犬は亡くなりました。

そして、今は2頭の犬と共に家族7人での暮らしを楽しんでいます。

「子供が何歳の時から犬を飼うのがいいの?」といった質問を仮に受けた場合、「環境が整っているのであれば、子供が生まれる前から迎えるのがいいですよ。」と私ならお答えします。

なぜ、そう思うのか。

今回は子供に与える良い影響について解説します。

目次

子供が生まれる前に犬を飼うのが良いと思う理由

筆者の家族です。

私自身、犬と子供たちがいて良かったと思うことを列記してみました。

犬との触れ合いが自然になる

生まれてから、当たり前のように犬と暮らしている子供たち。

小学生の時に初めて家族で犬を飼った私とは、明らかに触れ合い方が違います。

当時、何を考えているかわからないという恐怖心もあり、愛犬を触るにしてもぎこちなさがありました。

さらには、ご近所の飼い犬に噛まれたこともあるので、常に警戒しながら接していたと思います。

その気持ちは、愛犬にも伝わっていたはずで、私に心を開いていなかったかもしれません。

下記は「子供の恐怖心」に関する記事です。

0~3歳くらいというのは、基本的にはもっとも怖がりになりにくい時期と言えます。もちろん一時的にビクビクしたりすることはあっても、のちのちまで引きずるほどの怖がりにはなりにくい時期です。

しかし、その後、幼稚園に上がるころには、心理面も発達し、頭の中にイメージを思い浮かべることもできるようになるため、インパクトとしてより濃く焼きつきやすくなります。「怖がり」の子が急に増えるのが、この時期と言えます。

子どもの怖がり・年齢と原因別対処法~怖がりシリーズ第3弾〜 伸芽会HPより引用

納得のデータです。

我が家の子供たちは、愛犬への怖さというものはありません。

接し方が自然なのです。

愛犬も身構えることなく彼らと向き合っています。

もちろん、犬の性格や、トレーニングをきちんと行っているかなどの前提条件はありますし、他犬に対しても無警戒に接触してはならないなどの教育は必要です。(後述します。)

ですが、怖がるイメージが膨れ上がる前に、当たり前に犬と共に過ごしている子供たちを羨ましく思うと同時に、「先に犬がいて良かった」と感じています。

コミュニケーション能力を高め、感情表現が豊かになる

我が家の長女犬です。

子供がまだ言葉を覚える前だったころ、よく愛犬に話しかけていました。

愛犬は愛犬でそれを聞いている風な仕草をしていたので「どんな会話をしているんだろうね」と、夫婦でよく言い合ってました。

子供が話をすることができない犬と一緒に遊んで兄弟のように仲良くなることは、犬と遊んでいるときに、犬の表情や行動から「今何をしたいのか?」「何を言いたいのか?」非言語のコミュニケーションで関係性を築くことになります。非言語的コミュニケーションには、相手の気持ちを動きや表情から察する力、想像する力が必要です。言葉を持たない犬と接することは、これらの力を育てるのに最適と言えるでしょう。

かたのだ子ども食堂HPより引用

まさにこう言うことだと思います。

さらには、愛犬とコミュニケーションをとる上で欠かせないのが、感情表現を豊かにすることです。

欧米人に犬の扱いが上手な方が多いのは、「喜怒哀楽」がはっきりしていることも大きな要素だと私は考えています。

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愛犬にしっかりと感情を表現していますか?喜怒哀楽がとても大切です しつけで大切なことは「愛犬に伝わりやすい」方法で行うことです。飼い主は「こう指示をした」つもりでも、愛犬が異なる受け取り方をするのはよくあること。それをなくすための第一歩は「感情」をしっかり出すことです。

私たち夫婦がそれを意識して愛犬と接する姿を幼少期から見ているので、子供たちも真似をして、遊ぶときや呼び戻しをするときなどはテンション高めで、いけないことをしたときは低い声で「いけない」と自然に声質を変えています。

これらの能力は、人間同士の付き合いであったとしてもプラスに働くことでしょう。

弱者に寄り添える(思いやりの心を持てる)

幼少期は対等に戯れていた愛犬に対し、子供たちが成長するにつれて守る相手に変化していきます。

例えば、愛犬の散歩に行くとき子供にリードを持たせることもありますが、親がそうしてきたことを真似て、車道側を自分が歩いたりします。(もちろん、両者の安全面をしっかりと親が確保した上ですが。)

また、愛犬と一緒にいる空間では、自身の行動によって蹴ったり、踏みつけたりしないよう配慮する意識が芽生えます。

下記データがあることも納得できます。

犬を飼っている家庭の子どもは、反社会的な行動をとることが30%少ない他、友達との交流に問題があることが40%少なく、思いやりのある行動をとることが34%多いことも分かっている。

学術誌『Pediatric Research』に発表された研究 Women’s Health より引用

責任感を持てるようになる

例えば「きちんと世話をするから犬を飼って」と子供がねだって、実際飼ってみると母親が面倒を見ていると言うのはよくある話。

私も恥ずかしながら小学生の頃はそんな子供でした。

現在、我が家では愛犬の排泄処理や、ご飯を与えるなどの行為は主に子供が担っています。

物心つく頃から行っていることなので、彼らの生活リズムの中に「愛犬の世話をする」ことが「当たり前なこと」として組み込まれているようです。

とは言え、まだまだ自分の身の回りのことだけでも精一杯な年頃だけに、ときには怠ることもありますが一定の責任感を持ってくれているのなら親としては嬉しく思います。

命の大切さを知る

長女犬は、次女(人間の子供のなかでは長女)が小学校低学年のときに亡くなりました。

次女は、火葬場で遺骨となった長女犬を見た途端大泣きしました。

それにつられ、長男、次男も泣いていた姿を今でも鮮明に思い出します。

子供たちが身近なものの死を体験した初めての瞬間でした。

その後、しばらくの間どこかに出かけるときは、子供から「長女犬の遺影も一緒に連れて行こう」と提案、その子との思い出話に花を咲かせながら各地を巡りました。

そして、「もう犬と暮らすのは悲しいから嫌だ」と言うのかと思いきやそうではなく、「大人になって自分で飼うとすれば○○犬がいいなぁ」と言ったような発言も聞かれ、子供たちが死を受け入れながらも、新たな命と向き合おうとする心の成長を感じることができました。

「命を大切にする」

これを教えるのは簡単なようで難しかったりします。

長女犬が身をもって果たしてくれた役割に感謝です。

注意しなければいけないこと

当然ですが、良いことばかりではありませんし、おすすめできないケースだってあります。

私自身の経験を踏まえ、考えられるリスク、行うべき準備などをお伝えします。

危害を加える可能性

犬が乳幼児を傷つける可能性は否定できません。

突然現れた生き物に戸惑い、同じ集団としてすぐには受け入れられず、攻撃的行動を行うことだってあります。

我が家もヒヤッとしたことは正直何度かあります。

犬と乳幼児を決して2人きりにはさせないことはもちろん、考えられるリスク(例えば、赤ちゃんが尻尾をいきなりつかみ、犬が驚き噛みつくかもしれないなど)を想定して、その回避策を頭に入れておく必要があります。

犬(動物)アレルギーの可能性

もし、生まれてくる子供が犬(動物)アレルギーだったらと考えると躊躇してしまうのは当然です。

不安な場合は、決して無理をせず、生まれてすぐにアレルギー検査をし、大丈夫だと確かめてから犬を迎えるのもありだと思います。

ぜひ、そこは慎重にお考えください。

犬と乳幼児の世話が大変

初めての子供のときは大変ですし、主に奥さんが愛犬の面倒を見ているご家庭の場合は注意が必要です。

赤ちゃんにつきっきりになるのは当然で、愛犬がそれに不満を持つことも予想されます。

大切なことは、奥さん任せにはせずに、早いうちから愛犬の世話や関係作りをご主人もしっかりと行うことが重要です。

お出かけする場所が限定される

愛犬も幼児も連れて遊びに行ける場所は、公園や犬関連の施設が中心になるかと思います。

ただ、ワンパターンになるので、我が家では抱っこひもで赤ちゃんを背負い、愛犬を連れてハイキングにもよく行ってましたが、体力の消耗も激しく若かったからできたことで、安全面も考えるとおすすめできることではありません。

愛犬も幼児も楽しめる場所を見つけ続けるのは正直大変です。

ときには、アンパンマンミュージアムのような施設に行くこともありますが、当然ですが犬不可となりますので、愛犬はお留守番をさせることになります。

長女犬は、子供が生まれる前、休みごとに一緒にお出かけをしていたので、自分だけが置いていかれることに慣れておらず、1人にされると吠え続けるなどお留守番がとにかく苦手でした。

もっと先を見据え、子供が生まれる前からクレートトレーニングをしっかり行うべきだったと反省しています。

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クレートトレーニングは子供がいなかったとしても重要です。

遊びに行く場所が同じでも楽しめるのであれば問題ありませんが、子供だけを連れて出かけることも想定される場合は、早めにしっかりとお留守番に慣れさせるためのトレーニングをしてあげてください。

正しい知識と、基礎トレーニングの徹底はとても重要

子供が生まれるまでに、犬に関する正しい知識を学び、基礎的なドッグトレーニングをしっかりと行うようにしてください。

特に、所有欲や、唸る噛むは徹底的になくすことが肝要です。

愛犬が大怪我や命に関わる危害を乳幼児に加えることだけは絶対に避けなければいけません。

加害者も被害者も、愛すべき家族だなんて絶対に嫌ですよね。

ぜひ、「ドッグエデュケーション」で紹介している方法を確認し、学び、実践してみてください。

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長男、長女に合う犬とは?

犬種問わず、性格が穏やかな子を探してください。

攻撃的であったり、自我が強すぎると、子供に危害を加える可能性がありますし、臆病だと犬自身に過度なストレスをかけてしまう可能性があります。

どのタイプの犬も慣れさせることは可能ですが、飼い主が根気良くトレーニングを行ったり、子供が生まれた後もより注意深くフォローする必要があります。

性格は親犬からの遺伝や、犬舎環境によって大きく異なります。

また、兄弟犬であったとしてもタイプは様々です。

それらをしっかり確認するためにもブリーダーから入手されることをおすすめします。

理由は下記記事をご覧ください。

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まとめ

今の時代、我が家同様に生まれながらにして犬と暮らしている子供たちが増えています。

彼らは、しつけやトレーニングなど意識せずとも、犬とコミュニケーションをとり信頼関係を築くことが当たり前のようにできる可能性を秘めています。

真の共生社会の誕生です。

そうなれば、飼育放棄をする概念すらなくなり、保健所に送られる犬たちも激減するのではと期待が膨らみます。

ぜひ、犬と子供も好きなご夫婦なのであれば、「長男、長女は犬」と言う選択肢もお考えください。

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