警察庁が運営するサイト「住まいる防犯110番」によると、空き巣が犯行をあきらめる要素として「犬を飼っていた」が3番目の理由として挙げられているという情報を目にしました。
ちなみに、1番が「声をかけられた」、2番が「補助錠」とのことです。
想像に難くないデータではないでしょうか。
さらに言えば、人の気配や物音がするだけで吠える犬を飼っている家には、一層警戒をするはずです。
実際、私もそのような犬がいる家の前を通るときは、刺激しないようにと注意深くなったりします。
私が子供の頃は外飼いが主流で、玄関前に繋がれていた犬がいる家に用事があるとき、威嚇されたり噛まれたりしないかと、ビビりながらチャイムを鳴らしたものです。
当時は、番犬としての役割が大きかった時代で「犬=吠える」が、ある意味当たり前に思われていた気がします。
視覚的にも犬を飼っていることがわかる家に侵入するのには、空き巣犯も相当勇気がいったのではと容易に推察できます。
一方、現代は室内飼いが主流で、番犬ではなく家族の一員として過ごしている犬がほとんだと思われます。
それに伴って、犬の鳴き声に敏感な社会となってきました。
理由として、家の中だとダイレクトに吠える声が聞こえるため騒音度が半端ないことや、集合住宅で飼う方が増えたことにより、壁一つで接する隣近所にも結構なボリュームで鳴き声が届き迷惑をかけてしまう、ことなどが考えられます。
実際、しつけ教室では「無駄吠え(犬からすれば理由はあるのですが・・・)をやめさせたい。(留守番時も含む。)」という相談が多かったりします。
昔は吠えることを期待されていたのに、現在は望まれない世の中になり、犬からすれば人間の身勝手さに辟易しているかもしれません。
ですが、トクリューなどによる強盗や空き巣の増加により誰しもが不安に思う昨今、冒頭のデータなどを知ると、犬を飼っていることによる安心感や、抑止としての期待感を持ってしまうことも正直なところだと思います。
なんとも勝手とは思いつつ・・・も、長年ワーキングドッグとしての役割を求められ品種改良されてきた歴史があるだけに、お留守番中何もすることなく暇な毎日を過ごすくらいなら、警備活動でもやろうかと愛犬は思ってくれるかもしれません。
とは言え、留守番中吠え続けるのも近所迷惑だし、物音がしてもぐっすり眠り続けているのも任務を果たせません。(私は今まで、おとなしくリラックスしてお留守番できる子、になるための指導を行ってきました。笑)

理想は、吠え続けたり、配達員のチャイムなどには反応せず、不審者の物音がしたときだけ吠えてくれることかもしれません。
しかし、それはあまりにも都合が良すぎますよね。
トレーニングを行うとすれば、依存や要求による吠えは抑え、警戒に対してのそれを強化する必要があります。


飼い主にはその見極めが求められます。
しかし、警戒に対する吠えを強化しすぎても、チャイムの音はもとより、ちょっとの気配や物音、それこそ通行人や、車の音まで全てに反応してしまう可能性もあります。
そうなれば、近隣に迷惑をかけてしまうこともそうですが、愛犬自身も常に神経を張り巡らせる必要があり、相当なストレスがかかってしまうかもしれません。
つまるところバランスが大事。
言うのは簡単ですが、留守番時のトレーニングは難しく容易なことではありません。
ですが、今の時代にあったワーキングドッグ(犬の仕事)のあり方として、私も効果的なトレーニング方法を模索していきたいと考えています。
飼い主さんも、決して擬人化せず、犬の特性(行動学)を学び、愛犬の性格を理解し、行動を観察し、真の信頼関係を築く努力をしてください。

そこから、我が家流の方法を見出すことができるかもしれません。
もちろん、現時点でもサポートできることはありますので、お気軽にご相談ください。
最後に、愛犬に過度な防犯を期待するのではなく、それ以外にできる限りの対策を行うことが先決なのは言うまでもありません。
空き巣に入られ、危害を加えられることがあっては取り返しがつきません。
逆説的ですが、万全の防犯対策を施し、お留守番中へそ点で安心して寝てくれることが幸せなのかもしれません・・・。
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