ご飯が大好きな子犬は、その時間が近づくと落ち着きがなくなったり、テンションが上がってきたり、要求吠えをしてきますよね。
そんな姿も可愛く愛おしく思えたりしますが、それらの行動はほっといていいのでしょうか?
答えは「いいえ」です。
なぜなのかを説明していきたいと思います。
うちの子の要求行動を強化しているのは?
いつも、ごはんの時間あたりになるとソワソワしはじめ、ドッグフードを入れているボックスをツンツンしたり、騒いだり、飼い主をガン見して吠えたり・・・。
少しでもごはんが遅れるとそれらの行動が強くなったり、求めるタイミング(この前までは9時頃騒ぎ出したのに今は8時になっていたり・・・)が徐々に早くなってきていませんか?
また、このような要求行動が始まってからごはんを用意することが常態化している飼い主もいると思います。
ですが、その習慣が毎日続けば「自分(愛犬)の食べたいときに飼い主に指示(要求行動)を出せばご飯が出てくる」ことが当たり前となり、「指示を出すのが愛犬で、その命令に従うのが飼い主」という主従関係が醸成されていくことになります。
「私の言うことを聞いてくれない」とよくしつけ教室で相談されますが、そのきっかけを作っているのが飼い主自身であったりするのです。
まず最初に行うのが無視
それを改善する第一歩は「無視をする」です。
恐らく、多くのしつけ本や教室でも落ち着くまで「無視」をしてくださいと書いてたり、言われたりすると思います。
それは紛れもなく王道で重要だからです。
なぜなら、母犬も無視を多用するからです。
子犬を育てるプロである母犬も無視を多用する
具体的には、母犬に対し子犬が気に入らない行動をしてきたとき、その要求に応えたくないときに目を逸らしたり、その場を立ち去ったりします。
無視をすることで、
「やめなさい」「落ち着きなさい」「(あなたの要求を)受け入れられません」
など母犬は子犬に伝えています。
食事を前に興奮しているうちの子に対し、母犬になったつもりで飼い主は、
「ご飯を上げるタイミングを決めるのは私です」「あなたが食べたいときにご飯はあげません」
という気持ちで無視(目をそらす)をしてみてください。
そして、落ち着いたときにごはんをあげてください。
アピールする行動がエスカレートすることもあるかと思いますが徹底無視です。
「無視をしているんですがうまくいきません」と言われる方もいますが、話を伺っていると中途半端な無視をしている方が多いです。
重要なことは「徹底的に無視をする」ということです。
徹底的に無視をする
ワンコも根性があります。より抗戦してくる可能性だってあります。
ですが、我慢比べです。
我慢比べで負けると「この飼い主ちょろいな」と思われ、もっと我慢強い愛犬へと強化されていきます。
飼い主が無視し続けることを諦めるのではなく、子犬が興奮することを諦めさせる(落ち着く)ことが重要です。
諦めるのは愛犬であって飼い主ではない
うちの子の要求行動は拡大し、成犬になるにつれて強化される
子犬のうちから「指示を出すのは自分」と思い育ってきたワンコは食事のみならず、日常生活のあらゆる場面で要求(命令)し始めます。そして、成犬になるにつれて一層強化していきます。
例えば、飼い主がドッグランで「○○ちゃんおいで」と呼び戻しをしても、一切無視して遊んでいるワンコを見かけませんか?
その子たちは「遊ぶのをやめるのも、帰ってくるのを決めるのは飼い主ではなく自分だ」と思っているはずです。
愛犬が他の犬と喧嘩をしたとき、あるいは他のご家族がドッグランの入り口を開けたときに飛び出した場合などそのような思考回路を持っている子を止めることができるでしょうか?
ドッグランに言うことを聞かないワンコがいることは他の子やご家族にとってこの上なく危険なことです。
他の犬に怪我を負わせたり、飛び出し交通事故にあってからでは遅いのです。
まとめ
- 愛犬が食事の時間あたりで要求行動を示してきたら無視をする。(目をそらす)
- 落ち着くまで徹底して無視をする。
- (要求行動)諦めたらたらご飯を上げる。
まずはこの3点を徹底して行ってみてください。
私は家庭犬のしつけとは「愛犬の命を守る」ことだと思っています。
そのためには主導権は常に飼い主にあることが重要です。
「徹底無視をしても落ち着かない」「要求吠えが近所迷惑になるので早期に良くしたい」
と言った声もあるかと思います。そういった場合の対処法は下記記事をご覧ください!